PATEK PHLIPPE スイスでの研修 .1
HF-AGE 仙台店/スタッフブログ
去る6月23日。弊社30周年パーティを終えた直後、パテック フィリップでのスイス研修の為、成田に旅立ちました。
研修期間は4日間で、各工場をまわりパテック フィリップの時計の製造工程などを学んで参りました。
タイトなスケジュールの中、すべてが貴重な経験でしたが
その中で私の印象に残った工程を、このブログでご紹介させていただきたいと思います。
まずはジェムセッティングから。
ジュネーブから車で約2時間程のジュラ山脈地方に工房がありました。
ジェムセッティングとは、ケースやブレスレットなどの金属の上に
あらかじめ設けられたくぼみにダイヤモンドなどをセッティングし
まわりの金属を寄せてしっかりと固定する技術のこと。
熟練された職人の方々は56名いらっしゃるそうですが、その中でもさらに難易度の高いセッティングが出来る方は数名程だそうです。当たり前の事ですが、技術の習得は並大抵の事ではないのですね。
工程として、まず手作業でケース(またはブレスレット)にくぼみを作りますが、セッティングした時に高さが均一となるように調整しながら彫っていきます。
ただ彫り進めるだけでなく
削った後の削りかすを1つ1つ取り除きながら、そして彫ったあとをばり取りをしながら慎重に進めていきます。細かな仕上げを怠ることなく繰り返す作業は、パテック フィリップならではですね。
ちなみにアニュアルカレンダーの4948は、ケースだけでダイヤモンドを 347個使用しているので、そう考えただけでも技術力だけでは成し得ない作業だと言うことがお分かりいただけるでしょうか?
そしていよいよセッティング。
パテック フィリップで使用されているダイヤモンドのすべては、透明度(FL、IL)、 カット(Excellent、VeryGood)、カラー(D、E、F、G)と統一された最上級のもののみ使われています。
その最高品質のダイヤモンドを向き、高さが同じとなるように調整しながらセッティングします。
すべて均一にセッティングできたら、回りの金属を彫り起こし、1つ1つ爪を作って石を固定していきます。
そして最後に爪による引っかかりが無いよう、滑らかに磨いていきます。
もちろんジェムセッターの方と専門のチェック部門で顕微鏡を見ながらチェックし、少しでも(ミクロン単位で)ズレていたら、やり直し。
ダイヤモンドの美しさももちろんですが、セッティングの技術により輝きが増し、より魅力的な存在感を放ちます。
是非店頭に並んでいるモデルをご覧いただき、その美しさを実際に体感してみてくださいね。