PATEK PHLIPPE スイスでの研修 .2
HF-AGE 仙台店/スタッフブログ
みなさんこんにちは。
スイスでの研修内容の続きですが
今回は精度についての内容です。
パテック フィリップの時計を語る上で欠かせないのが「精度」です。精度が良いほど、時計の遅れや進みは最小限に収まります。
その精度に大きく影響するのが「テンプ 」と「髭ゼンマイ」と言われる部分です。
今回はパテック フィリップ独自で開発された「ジャイロマックステンプ 」についてご紹介します。
通常のテンプ は緩急針と呼ばれる針を左右に動かすことで髭ゼンマイの振動数を替えて遅れや進みを調整します。
一方「ジャイロマックステンプ 」は、針では無く数個の「慣性ウェイト」という重りのようなものが取付けてあり、この部分を回すことにより精密な緩急を調整する事ができます。
通常のテンプ と比べて部品の磨耗が少なく、衝撃により緩急針が動いてしまうという事がなくなります。
この「ジャイロマックステンプ 」にとって、最も重要なのはバランス。
髭ゼンマイを取り付ける前に、まず中心軸を水平にして手で回した時にランダムな位置で止まるかどうかチェックします。
いつも同じ位置で止まるという事は、その部分が重くなっているので、その個所を削り取りバランスを調整していきます。
少しずつ削り取りながら、完全にバランスが取れるまで繰り返し
クリアできたら髭ゼンマイを取付けて組み立てられたムーブメントと合体。
これで時計は動き出し、時を刻み始めます。
ただ、髭ゼンマイを取り付けたことによりバランスが狂ってしまうので再度均衡を調整しなければいれません。
そこで精度を計測する機械で6つの姿勢での日差を測定します。
それぞれの姿勢で差がでるのですが、最大値と最小値の差が16秒までというのがパテック フィリップの規定。6姿勢のうち、どの姿勢を調整しなければいけないのか判断しながら、テンプ の外周にくぼみを付けていきます。
小さなくぼみによって変わる数秒。
テンプ 自体も決して大きい訳ではなく、その精密さには改めて驚きました。本当にミクロン単位の仕事の連続です。
そして最後は平均日差を微調整していきます。
パテック フィリップで決められている平均日差は-3秒〜+2秒。クロノメーターの規定が-4秒〜+6秒なので、どれだけ高い精度なのかという事がわかります。この規定内に収まるよう慣性ウェイトと呼ばれる部分を調整していくのです。
切り欠き部分を内側に向けると動きが遅くなり、外側に向けると早くなるので、少しずつ動かしながら丁度良いバランスを探して調整出来たらOK!
こうした細かな調整が繰り返されて作られるパテック フィリップの時計。
高い精度を誇る所以は、革新し続ける技術と熟練された時計師の方々の精緻な手仕事によって生み出されるのだと感じられた貴重な経験でした。
是非みなさんも店頭に並んでいる時計の裏側を眺めてみてください。
美しさももちろんですが、妥協を許さない時計師さん達の想いが形となって現れていることを実感していただけると思います。
以上、スイス研修のほんの一部をご紹介させていただきました。
その他の内容について、ご興味のある方は是非店頭でお声掛けくださいね☆
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