時間を“構造”として捉えるという選択

時計とは、時間を測るための道具である。
しかし、パテック フィリップ 6105G-001 は、その定義を静かに拡張する存在である。
このモデルが扱うのは、単なる時刻ではない。
平均太陽時に基づく時・分表示に加え、日の出・日の入り、星座表、月の軌道、ムーンフェイズといった、
地球と天体の関係によって生まれる“時間の構造”そのものが表現されている。
それらは個別の機能として並置されているのではなく、
ひとつの体系として統合されている点に、この時計の本質がある。
その中核を成すのが、精緻に構成された文字盤である。
北半球の空の配置を正確に示すサファイヤクリスタル文字盤は、
ジュネーブ、および同緯度に位置する都市から見える天空を楕円形が示す。

星の見かけの運行、月の満ち欠けとその軌道が、時間の経過とともに連動して表示される。
さらに、この奥行きある表現は三層構造によって成立している。
二枚のミネラルガラス製ディスクと、金属蒸着が施されたサファイヤクリスタル。
それぞれが異なる役割を担いながら重なり合うことで、視覚的な深みと情報の整理が高次元で両立されている。

外周には日付表示ディスクが配され、レッド・ニス塗装の指針によって指示される。
この日付表示もまた単なるカレンダーではなく、日の出・日の入りといった天文情報と呼応しながら、時間の変化を立体的に把握するための要素として機能している。

これらすべてを駆動するのが、キャリバー 240 C LU CL LCSO。
22金ゴールドの偏心マイクロローターを備えた自動巻ムーブメントであり、
日の出・日の入り時刻表示、夏時間と冬時間の切り替えなど、複数の複雑機構を統合的に制御している。
こうした構造は、単に機能を積み重ねた結果ではない。
複雑な情報をいかに整理し、理解可能な形で提示するかという設計思想のもとに成立している。

パテック フィリップはこれまでも、
スカイムーン・トゥールビヨンやセレスティアルにおいて、
時間を宇宙的なスケールで捉える試みを続けてきた。
6105G-001は、その系譜を受け継ぎながら、
腕時計というサイズの中に高度に凝縮された“時間の可視化装置”といえる。
それは、時間を知るための時計ではない。
時間という概念そのものを、構造として理解するための一本である。
音で時を知らせる、新しい日常時計


パテック フィリップが長年培ってきたチャイム・ウォッチの技術は、これまで主に格式高い複雑時計の世界で語られてきた。
しかし、5322G-001 と 5322G-010 は、その価値観に新たな視点を提示している。

この新作に搭載されるのは、自動巻ムーブメント キャリバー AL 30-660 S C。
最大の特徴は、パテック フィリップ現行コレクションにおいて唯一となる、防水性能を備えた24時間表示アラーム機構だ。
設定した時刻になると、クラシカルなハンマーがゴングを打ち、美しい音で時を知らせる。

さらに4件の技術特許を取得したこの機構は、15分単位でのアラーム設定、デジタル表示によるアラーム時刻表示、アラームのON/OFF表示、昼夜表示など、高い実用性も兼ね備えている。
複雑機構でありながら、日常で使うことを前提として設計されている点が非常に現代的だ。
ブラック・グラデーションを施したテクスチャード・ラック・ネイビーブルー文字盤と、同様に深みあるテクスチャード・ラック・グリーン文字盤。
それぞれ異なる個性を持ちながら、視認性に優れたアラビア数字が軽快な印象を与えている。

一方でケース側面にはギヨシェ装飾「クルー・ド・パリ」が施され、細部にパテック フィリップらしい伝統的な仕上げが息づいている。

複雑時計でありながら、構えすぎない。
高度な技術を持ちながら、日常から遠ざからない。
5322G-001と 5322G-010 は、パテック フィリップが考える現代的なチャイム・ウォッチの新しい答えなのかもしれない。
物語が時を示す、極めて稀な表現
時計とは本来、正確に時刻を知るための道具である。
しかし、パテック フィリップ 5249R-001は、その役割を遥かに超えた存在だ。
このモデルは、パテック フィリップ現代史における初のオートマトン腕時計として誕生した。

着想源となったのは、1958年にルイ・コティエがパテック フィリップのために設計した希少なオートマトン懐中時計。そしてその世界観の背景には、17世紀フランスの寓話作家ジャン・ド・ラ・フォンテーヌによる『カラスとキツネ』の物語がある。
文字盤上では、その寓話の象徴的なワンシーンが立体的に表現されている。

木の上でチーズをくわえるカラス。
その下でカラスを見上げるキツネ。
そして周囲を彩る植物の装飾。
それらは単なる装飾ではない。


2時位置のプッシュボタンを押すことでオートマトン機構が作動し、キツネの鼻と前足が「時」を示し、カラスが落としたチーズが「分」を示す。
つまり、時間を確認するという行為そのものが、ひとつの物語として演出されているのである。
この複雑な動作を支えているのが、新たに開発された自動巻ムーブメント キャリバー 31-260 PS HMD AU。
通常時は静寂を保ちながら、必要な瞬間にのみ複雑な機構が連動する設計は、一般的なオートマトン・ウォッチとは一線を画す。
常に動き続ける複雑機構ではなく、求められた瞬間だけ物語を語る。
そこには、効率性とは対極にある、極めて贅沢な思想が存在している。
さらに文字盤には、手彫金によるキツネやカラス、植物のモチーフが立体的に配置され、卓越したレア・ハンドクラフトの技術が惜しみなく注ぎ込まれている。
芸術作品のような美しさと、複雑時計としての高度な技術。
その両立こそ、このモデルの真価と言えるだろう。
時刻を知るだけなら、もっと簡単な方法はいくらでもある。
それでも5249R-001は、時間を見る瞬間に驚きと物語性を与えてくれる。
パテック フィリップがこの一本で表現したのは、単なる複雑機構ではない。
時間そのものを、より豊かに味わうための芸術表現なのかもしれない。
動きを是非見て頂きたいのでパテック フィリップ公式ページもご覧ください。
HF-AGE仙台店
HF-AGE(エイチエフエイジ)は、1985年6月創業の腕時計専門店です。
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東北唯一のパテックフィリップの取り扱いを始め、IWC、PANERAI、ボーム&メルシエ、ボールウォッチ、NOMOS、などの機械式時計が並べられています。HF-AGEは取扱いする各メーカーの正規販売店です。
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